せふれであいけい

セフレの関係って、本当に不確かなものなんです。
その事実は、実際に僕自身が人妻掲示板というものを利用してとある女性とセフレの関係を持っている中で、痛感したので間違いありません。
ひたすら、セフレを満足させることだけを考えて尽くす、そういう姿勢が無ければ、またそういう姿勢でいることが相手に伝わらなければ、人妻にとっての僕の存在意義が簡単になくなってしまうのです。
人妻にとっては、僕の代わりはいくらでもいる――セフレの代わりはいくらでもいるわけです。
相手が僕である必然性はひとえに、僕が人妻をどれだけ満足させられているかにかかっています。

彼女との出会いはごく平凡で、特筆すべきものはありません。
普通に掲示板上で知り合っただけです。
僕自身、若い女の子に対してちょっと嫌気がさしていた部分がありました。
大学時代も含めて四年間付き合ってきた彼女に振られた、ということもかなり影響していたと思います。
しばらく連絡がないなといぶかっていた折、ある日突然食事に誘われて舞いあがっていた折、他に好きな人ができたからといってばっさり切り捨てられたのです。
女心と秋の空とは言いますが、あれほど理不尽な振られ方をしたのは初めてです。
というか、一人の女性とあれほど長く付き合ったことは初めてでしたし、その分、免疫が無かったので振られた時のショックも大きかった。

やけくそ同然でチェックした掲示板、出会いはあっさりとものになって、そのことより驚いたのは、人妻が提示してきた条件でした。
私を満足させてくれたらお小遣いをあげると言ってきたんです。
最初は当然、こいつはサクラだと思いました。
全くそういう疑いを持っていなかったとしたら、私はバカですが、さすがにそこまで判断力が鈍っていたわけではありません。
ただ、興味本位で近寄ってみるだけなら悪くないと思いました。
会話ならパソコンやスマートフォンの画面上からできますから、何か問題があればすっと引こうと思ったのです。

ところが、相手はすぐにでも僕と会いたいと言い出した。
ますます怪しい。けれどうまく断る理由を見つけられず、とりあえず、指定された待ち合わせ場所に行くだけなら言ってみようという気分になったのです。
当然、騙されていると思いました。
いざ待ち合わせ場所に言ってみると、そこには誰もいない。
あるいは、強面のお兄ちゃんがうろうろしている――あからさまなやくざがらみ。
どちらの自体も十分に覚悟しました。
なにかまずいことがあればダッシュで逃げるだけ。
昔から逃げ脚だけは自信がありました。

ところが、結論から言えば人妻との約束は詐欺では無かったのです。
待ち合わせ場所には、本当にちゃんと人妻がいて、ある程度会話してみても本当にまともな女性で、結局その日のうちにセックスしてしまったんです。
なにしろ、人妻の方が僕とのあいさつもそこそこに、さっさとホテルに行きましょうと言いだしたからです。
人妻の目的は最初からセックスオンリーだったのでしょう。
何回やりましたっけ……もう覚えていません。
五回くらいやりましたっけね、僕もまだまだ若いですし、下半身については特に欲求不満が溜まっていました。
それを全て人妻にぶつけ、結果としてそれがたいへん喜ばれたようで、還り際になってなごり惜しそうな人妻から、まさか五万円のお小遣いをいただきました。
どうやら彼女はセレブで、浮気された夫に対する腹いせに、旦那の稼いだ金を若い男に貢いでいるということでした。

僕はどうやら人妻を満足させられたらしく、気にいられたからお小遣いを五万円分いただき、また今度セックスしましょうねと言われて別れました。
そう言えば前に付き合っていた彼女にも「あんた、セックスだけはやたらとうまい」とほめていただいたことを、その時になってぼんやりと思い出しました。
別にお小遣いだけが目当てというわけではないのですが、これほどよくしてもらった女性を満足させられないようでは、さすがに罰が当たると思いました。
その人妻とはもう五度くらい会っていますが、常に人妻を満足させられるよう、彼女が求めているものがいったい何なのか、考えるようにしています。